◎現在の学説では、
吃音は幼児期に約5%発症し、約4%が自然治癒するといわれる。
原因はなりやすい体質(遺伝を含む)が約70%、環境が約30%といわれ、
両方の条件がそろったときに吃音が発症するといわれ、治療法は確立していない。
中学生以上でも自然治癒がみられず、症状をもったまま成人に至っている。
人種を問わず人口の約1%が吃音を持っているといわれます。
◎吃音者の現状は発語の問題だけではない。
予期不安や場面を避ける傾向が強く、社会との交わりを避ける人もいますが、
吃音を持ちながらも表面上前向きに社会と交わっている人もいます。
例会では仲間と語り合うことが大切と考えています。
◎吃音は、相手がいるので発症しやすいのですが、
ひとり言・独唱・合唱などの歌や詩吟などリズムが付く発声は吃音者でも殆ど吃りません。
一人朗読で吃っている人でも、二人で同時朗読すると殆んど吃りません。
一人での練習(発声練習以外)はあまり効果はあがりません。
大勢の前で一人発声練習する場合(場面とすれば皆無)は吃る可能性はあります。
◎吃音は三種類あります。
連発(同じ語が続けてでる)・伸発(語が引き伸ばした発声となる)
・難発(語頭がつまって発声が困難な状態)の三種類。
吃音の辛さを訴える人の多くは難発のある人が多い。
◎吃音の治療については確立したものはないが、直接法と間接法があげられます。
直接法は、いしかわ吃改研が行っている改善練習など声を出して行う実践練習です。
間接法とは都筑澄夫先生などが行っているメンタルリハーサル法があげられます。ここでは詳細は充分にお伝えできませんが、いまの状態から過去の自分へフイードバックし幼少時のイメージに遡る方法と捉えています。 メンタルリハーサル法を行うには医師の紹介などの手続や専門性がないと難しいといわれます。吃音専門の医師や病院は非常に少なく言語聴覚士においては大人の吃音に対応は難しいようです。
直説法は練習という概念ですが、どちらも練習の実績や治療に何年もかかり、 どちらも確立した治療法ではないので、現在の医学では残念ながら「必ず」ということは言えないと思います。
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